鉄ヲタ協奏曲【後編】

車両工場見学会は新しい車両工場(旧車両工場の奥にある)で行われました。

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福鉄610形はあまりにも長い間放置されているため,上記画像のようにgoogle mapでは恰も建物のように表示されてしまっているのが悲しい・・・

旧車両工場は,木造で(前回の記事に画像があります)国の登録有形文化財となっておりますが,現在は車両工場というよりは主に車庫として使用されているようです。

そして新工場のほうには・・・

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やはりブルーのフクラムはここにあったのか・・・

説明係の整備士のオジサンは,僕たちを一瞥して筋金入りの鉄ちゃんばかりだというのを察したようで

「何も説明しなくてもいいんじゃない?」みたいな冗談を飛ばします。

「あ,僕は違うんです。初心者マークつけてるんでお手柔らかにお願いします。」と心の中でつぶやいていました。
ただオジサンの言うことにも一理も二理もあります。だって,参加者の全員が全員紛れもないヲタなんだから。そして,ひとりも女子がいないというね。鉄子は福井にはいねえのか!福井には松井玲奈もどきはいないのか!

厳かに(ウソ),説明が始まります。
ていうか,整理券の確認・回収は行わないの?
このゆるさ加減が,福鉄魂なのです(なんのこっちゃ)。

まずは,なぞなぞからスタート。

「日本で一番強い電車は何でしょう?」

一人のヤングなヲタが

「埼京線!」

と答えます(埼京→最強ってことねいちおう)。
オジサンは「正解!」と言って880形だか770形だかの行先表示プレートのようなものを,答えたヲタにプレゼント。

「おおぉ~。すげぇ~」

とヲタ一同から歓声と嘆息がもれます。
僕はコレクターではないのでそれほど羨ましくはなかったのですが,将来的にはコレクターになってしまう可能性もあるわけで・・・

ここから工場見学会らしくなります。

「これが何かわかるよね。」

って。

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いやオレさっぱりわからないんだけど・・・

あちこちから「ブレーキ」という声が聞こえてきます。ブレーキシュー(制輪子)だそうです。これを車輪に押し付けて摩擦でブレーキをかけるのです。

新品と旧品を比べると摩耗度合いがよくわかります。

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車輪よりもブレーキシューのほうが柔らかい材質のものでできているのはもはや常識。

「で,こっちが旧名鉄車両の新品の車輪ね。住〇金属製でシャフトやギアは一生ものだけど車輪だけは定期的に交換するんだ。ただ交換はここではできなくて名鉄の工場とかに持ちこんで交換してもらうんだよ」

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「あそこに置いてあるF1000の車輪はドイツ製だから高価なんだよ。住〇金属製の倍くらいするんだ。でも交換はここでできるから名鉄車両とトータルでのコストはそんなに変わらないね。あとF1000は軸がないから摩耗が早いんだ。」

フクラムと言わずにF1000と言うあたりが技術者としてのプライドか。などと勝手に想像。これからは僕もブログではF1000って書くことにしようかなw

それにしてもF1000にはシャフト(軸)がないのか・・しらなかった。
フクラムはクルマのような独立車輪なのです(wikiにも書かれてた)。

「どうする?VVVFの話とかも聞きたいかい?」

僕も畑は違えど技術者もどきなのでそっち方面には多少造詣があるので興味津々なのですが,ほかのヲタさんたちはあまりその辺には興味がなさそう・・・「おねがいします。」とは言い出せませんでした(泣)。

説明を聞いているとあちこちからときどき「へえ~」とか「おおっ」って声やざわめきが聞こえるんですが,「へえ~」って言うタイミングが僕が「へえ~」って思う(声には出さないw)タイミングとなんか違うんだよね・・・しかもマニアたちはみんなリいちいちアクションが大きい!ヲタが暗いというのはもはや過去のもの。

ヲタってのはリュックを背負いケミカルウォッシュのジーンズを穿き,ヨレヨレのTシャツを着て小声でボソボソ話し社交性がないコミュ障っていうイメージを持っていたんですが(←ひどい偏見だよねw),全然違います。
「それ,持ってみていいですか。」ってブレーキシューを持ってみたりオレよりもセッキョクテキでいろいろ質問もするしみんな楽しそうで笑顔も見られます。社交性もオレよりあるんじゃねえのか。どうも最近は明るいオタクが増殖しているようです。僕なんかは古いタイプのヲタクじゃないかと。

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僕のヲタクに対するイメージはこのスケットダンスという名作漫画の小田倉(おたくら)くんそのものなのです(この漫画がヲタのイメージをギャグにしていると思うんだよねw)。
リアルガチなヲタはお互いを「〇〇氏」と呼ぶもんだとばかり思っていました(マジでw)。

やっぱ,いまいちこの雰囲気に馴染めないな,オレ。
完全に飲まれてる・・・アウェイ感が半端ないぞ・・・お呼びでないっつー感じ。
実は僕も整備士さんに聞きたいことはいっぱいあるんだけど,知識レベルが僕だけ明らかに低いので聞くに聞けないw
場の雰囲気を壊したくない。空気を読んで自制・・w

続いて地下に潜ります。

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ここでタッピングとかをして車体下部の部品のボルトの緩みなどをチェックするんだそうです。

そのあとは車体上部を点検するための鉄構へ。床はグレーチングのため高所恐怖症の人は登るのを断念しておりました・・・

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地上に降りて

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770形の台車

の整備の方法の説明などを聞いた後

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塗装室へ。

「去年はここには入れなかったよな」という声が聞こえます。

きききききみたちは去年も来てたのか!

ヨメとムスメはきみらのためを思って遠慮したのに・・・ていうかこの奇妙な集団にヨメとムスメが紛れ込んだら場違い感が100%だったと思うので参加しなくて良かったんじゃないかと(笑)
まあ世間知らずのムスメには社会勉強になったような気もしますが・・

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台車の心皿について説明

「オイレス(潤滑油が不要,オイルレス)でここが摩耗してくるとキーキーと音をたてるようになるから,うるさくなったら運転士に皿を変えるように言ってあげてください(笑)」

ちょいちょいジョークをはさんでくるのな,このオジサンw

そして嬉しそうに写真を撮ったり質問をしたりする僕たちをみて

「きみたち,ホントに好きやなぁ」

と満面の笑顔。そう,福鉄は僕たちのようなヲタに支えられていると言っても過言ではないのです(いや,んなこたあないw)



F1000(ブルーのフクラム)のところへ行くと,

ちょっとかわったことに気づきます。

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油圧ジャッキは下から上げるんじゃなくてこの穴にシャフトを差し込んで使用するんですね・・・

なお,
「このブルーのフクラムはいつ運転再開するんですか」
と核心をつく質問をしてみたところ,
「12月くらいには復帰できるかなあ。重要部品(ギア)がいっちゃってるから・・・」
とのこと。
なるほど,早い復帰を望みます。


ブルーのフクラムの車内も見学させていただき,継電器やシーケンサといった電子機器(制御装置等重要機器ではないと思う)のはいった部分も見ることができました。

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整備士:「ここに運転記録装置があってね。あの福知山線の事故以来,運転状況(速度やブレーキ,ノッチ等)を記録することが義務付けられたんだよね。1週間分くらいはこのフラッシュメモリに記録されているんだよ。」
ヲタA:「203にはカメラがついてますよね。」
整備士:「200形にこの装置をつけるための改造には多大な費用が掛かるからカメラを追設して動画を記録しているんだ。それだと半分くらいのコストで済んだんだ。」(運転状況記録装置の代わりにドライブレコーダーでも代替可能なようです)
ヲタB:「勉強になります!」
オレ :「・・・」
整備士:「JRのカギもこの形だったっけ?」
ヲタC:「いや,JRは・・・で,・・・だったとおもいます。」
オレ :「・・・」

その後,運転席にも座らせていただき記念撮影。
数人ずつのグループがいくつか出来上がるのはオフ会で集まった仲間同士が来ているのか,あるいは知り合い同士数人で来ているのか,お互いに写真を撮り合っていますが僕はその輪にはうまく入れず(笑),整備士さんに写真を撮ってもらいました。


ちなみに僕のオフ会に対するイメージはこの漫画のとおり。

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間違ってオフ会に参加してしまった主人公のボッスンがマニアたちにビビってしまうというスケットダンス139話の影響を僕はモロに受けてしまっているのです(笑)


時間のたつのは早いもので,お時間となりました。

整備士:「じゃあ,最後に集合写真を撮ろうか。デキの前なんかどうかな」
一同 :「おおぉ~!!」

デキというのはですね,僕も知ってますよ。
いつも留置線にとまってるアレですよ。

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デキ11

ということで僕もこの集合写真に強制的に参加させられてしまい(笑),うしろのほうで目立たないようにいちおう笑顔を作って・・・

参加者のひとりのスマホを使って,整備士さんが撮ってくれた写真。
それをみんなが集まってスマホを操作してシェアしはじめますが,僕はその集団に入って画像をもらえないかと声をかける勇気が足りず,ひとりだまって車両工場をあとにしました・・・



そして自宅に帰るとtwitterで検索。

やっぱりか・・・

集合写真を含めて僕の写りこんでいる画像が2枚,twitter内で発見されました(笑)

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来年は・・・自衛隊パレードのほうに行こうかな(爆)

ただ,僕も来年は彼らに混じってオフ会に参加している可能性も無きにしも非ず。

なお,610形を解体して今回の福鉄感謝祭に合わせて部品を販売するというとんでもないサプライズ企画案も社内では持ち上がったらしいのですが,人手不足で企画はボツになったんだとか・・・喜ぶべきなのか悲しむべきなのか。複雑な心境。理由が人手不足っていうのも笑えない・・・

なんとか生態保存はできないものなのか・・・




この記事へのコメント

  • 四ツ葉来

    poptripさん、おはようございます。

    車両工場の詳細記事、ありがとうございます。かなりマニアックな世界だったようですね(笑)単なる乗り鉄の僕には???だったかもしれません。やはり譲って正解だったのかなあ、と思いつつ、(恐らく)前にいた少年たちは2回目だったのか、なんてことも思いつつ(涙)

    でも、青いフクラムが運休中の要因を知ることができてホッとしました。今回もですが、いつも福井鉄道の方に直接聴いてやろうと思いながらつい忘れてばかりだったもので、、、
    復活したらひたすら「青いフクラム」に乗りまくるかな、、、

    >610形、解体、人手不足
    確かに複雑な心境になりますね、、、しばらくは放置状態なのかな。武生に行く楽しみが残るのは嬉しいのですが。うーむ、、、、
    2017年10月16日 11:04
  • poptrip

    >四ツ葉来さん

    僕も来年は2度目の工場見学になるかもしれませんが,譲りませんよ(笑)
    でも整理券の確認もしなかったし人数も数えてなかったので一人くらい紛れ込んでもバレなかったんじゃないかと・・・ほんとに福鉄らしいテキトーさでしたわ。

    青いフクラムもそうなんですが,僕はとにかく800形に乗りたいんですが,フクラムが離脱してもほとんど運行されていないということはもう使い道がないんじゃないかと心配しております。

    青いフクラムの謎も610形の謎も解けてスッキリしましたね。お互いw

    そうそう,F1000はもうほとんどがブラックボックスでトラブってもメーカーの技術者を呼んで部品ごとまるごと交換とかが多いんだそうで,整備士としてはつまらないってようなことを言ってました。時代ですよね~。
    2017年10月16日 21:17
  • HerrKatze

    一応昔からヲタやってた自覚があるワタクシといたしましては
    昔のヲタはまさにスケット団のヲタみたいな人結構いましたよ
    拙者って言ってる人とか
    もちろん二人称はヲタク(ヲタの由来ですよね)
    2017年10月16日 23:09
  • poptrip

    >Herr Katzeさん

    あはははは。「拙者」ですか。素晴らしい!
    僕の友達にもアニオタは何人かいましたが「拙者」という人はいませんでしたね~。僕もブログを読めばわかると思うのですが,昔からマニア的要素は持ち合わせていたのです。だからヲタたちには理解がある方ですが,やっぱちょっとどうなん?ていう人は何人かいました・・・
    2017年10月17日 06:13