2018年01月13日

ナローゲージ巡り#3三岐鉄道北勢線【前編】

メシを食いながら次のプランを考える。

先日行った京都の仁和寺。
徒然草に「仁和寺の法師」というお話があるのだが,その最後はこう締めくくられている。

少しのことにも,先達はあらまほしき事なり

もちろんテツに関しても先達はあらまほしきこと。と先達の中の先達,大先達である四ツ葉来さんが三岐鉄道に乗ったときの記事をスマホから閲覧する。

三岐鉄道は三岐線と北勢線があり,ナローゲージは北総線のみ。ただ時間があれば両方乗ってみたい。それに三岐線と北勢線はほぼ並行して走っているため,

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フリーきっぷの裏のマップを加工

途中の駅で歩いて三岐線から北勢線の駅へ,あるいは逆も可能ではないかと考えていたのだが,まさに四ツ葉来さんはそれを実行していた(笑)よし,その実績に乗っかってみようか。

ウナギを食ってJR四日市駅に戻ったのは13:10。ちょうど名古屋行きの普通電車が発車したところだった。さて,次の電車は・・・なななんと1時間後。三岐線の始発駅である近鉄富田駅に近いJR富田駅に停まる普通電車は1時間後だと。分刻みのスケジュールを立てていたのは四日市あすなろう鉄道までだったわけで(メシにどれだけ時間がかかるからわからないため),こんなことならメシ食った後もっと急いで歩いてくればよかった・・・

この時は知らなかったのだが三重県と奈良県というのは国鉄がほったらかしにしておいた隙に近鉄がガンガン勢力を伸ばし,JRよりも近鉄の方が強いのだとか。実際,近鉄名古屋線は1時間に10本ほど走っているのだ!

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そんなことを知らない無知でおバカな僕はJR四日市駅のホームで悩む。まさに我ながらこうして振り返ってみてみるとバカの中のバカ,正真正銘のバカである。
この1時間は大きい。悩んだ末,三岐線はあきらめ,次の「快速みえ」で桑名まで行きおとなしく北勢線に乗るとにした。「快速みえ」は二度目だから今度はちゃんと最初から自由席にw

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運転席のすぐ後ろに陣取って前面展望を楽しむ。愉悦の時間である。

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ん。
関西線って単線区間もあるのね・・・

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それにこの運転席の時刻表。
通過駅,停車駅の時刻が15秒単位で書かれている。すごいね・・・この時刻に合わせて微妙に速度を調整しているようだ。プロの仕事だな,こりゃ。

桑名駅に着くと,三岐鉄道北勢線の次の電車まで時間があることを時刻表で確認し,周辺を歩くことにした。この徘徊はちゃんと目的のある徘徊である。目的がある場合徘徊とは言わないのだが(笑)

目的地はここ。

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西桑名第2号踏切道である。この踏切は,日本で唯一3種類の線路幅がそろう踏切なのだ。

まずは三岐鉄道北勢線の線路を渡る。

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特殊狭軌・ナローゲージ(762mm)

2フィート6インチであり,専門用語ではニブロクというらしい。

次は,JR関西線の線路を渡る。

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狭軌(1,067mm)

3フィート6インチであり,専門用語でサブロクというらしい。

最後に近鉄名古屋線の線路を渡る。

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標準軌(1,435mm)

専門用語は・・わからない(笑)

この線路を見渡せる陸橋にも上ってみる。

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左の2本が近鉄線,右の1本が三岐鉄道北勢線,それ以外がJR関西線

どうです。
すごいと思いませんか。

・・・ちゃんとついてきてるか,みんな。
マニア以外にはこういう内容の記事が,どう映っているのかマニアになりかけている僕には最早わからないんだよ。家に帰ってきてからこのレールの幅の話をヨメとムスメにしたんだけどほとんど興味を示さなかったのである。二人ともまるで僕がヨメの日常の不満を聞いているときくらいの低いテンションだったわけで。

目的を達成したので,三岐鉄道西桑名駅へ。
桑名駅に隣接したの昭和感バリバリの昭和テイスト満載の雑居ビルにも興味を惹かれてしまったのは必然なのだが

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絶滅したと思われていたドムドムバーガーもあったww

とにかく僕には時間がない。1階と2階の間にあるトイレ(←昔のデパートってこの位置にトイレがあるのが定番だったよなw)だけをお借りして駅へ向かう

窓口でフリーきっぷを購入すると,立派なパンフレットがついてきた。そして初めての乗車だと言うといろいろと懇切丁寧に乗り方を説明してくれた(後述するがフリーきっぷは自動改札を通らないため特殊な方法で無人駅の改札を通らなければならないのだ)。

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鉄道ファンに優しい会社だ。実際,乗客のうち7〜8人は明らかな同好の士(笑),さらに数人一般人を装った鉄ヲタと疑わしい者も紛れ込んでおり乗客の2割程度はその筋の人だと思われた。

本日2本目のナローゲージ。
北勢線という硬派な名称もよい。

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この車両間の通路の細さ。
そして目に飛び込んでくるのは人間タコ足配線か!ってなくらいの足,足,足。

事前のリサーチでも気になっていたし,パンフレットにも紹介されていためがね橋,ねじり橋という撮り鉄スポットの最寄り駅である楚原(そはら)で下車しようかと考えていたのだが,同好の士の考えることはやはり同じ。数人のヲタたちが下車したため僕は下りるのをやめた(笑)

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楚原駅ですれ違った対抗列車

ここからは山間部を一生懸命唸りながら走る。駅と駅の間隔が長くなり,そこそこのスピードを出すわけで(といってもせいぜい40km/h程度w)音も揺れも激しくなる。この区間が最も古典的列車の風情を感じられるところだ。

ふと窓を見ると(ほんとにあみあみの網棚や上から開くタイプの珍しい窓も琴線に触れたのだが),

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窓枠の下部にある金具が目を引いた。
ウインドーシェードをひっかけるための金具だ。

そう,このシェードは全開か全閉かの2択しかないのである。フクラムなんかのシェードは無段階なのであるが,この昭和感も漂うアナログチックな車内のシェードは全開か全閉,つまり「1」と「0」だけの世界。いうなればデジタルなのである。僕は北勢線でデジアナを見たのだ(←なんのこっちゃ)。

こういう適度に古い車両の内装を観察するのは楽しい。子供のころに乗っていた電車の風味がぷんぷんするからだ。ローカル線が好きなのにはこういうところも影響しているのかもしれない。

終点の阿下喜(あげき)に着いたのは西桑名を出て1時間後だった。

あげき・・凄く珍しい駅名だと思う。
アゲキ,カンゲキッ!(←それはヒデキ)

途中には福井弁を話すこんな駅もあった。

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いちおう県外および福井県の嶺南地方の人たちのために説明しておくと「あのぅ」と独特のイントネーションで話すのが福井弁の特徴なのである。モ娘。の高橋愛の矢鱈と福井弁を強調した発音を思い出していただければ幸いである(たぶん思い出せないと思うけどな)。

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阿下喜駅は,ローカル線の終着駅とは思えぬ真新しい駅舎である。

駅周辺にはセブンイレブンのほかにはモニ226という車両が静態保存されているほかには見るべきところはないように思われた。

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近鉄モニ226保存車両

写真を撮っていると見知らぬ同好の士から声をかけられた。
やけにフレンドリーなオジサンである。

オジサン:「どこから来たの?」
僕   :「あ,福井からです」
オジサン:「あーやっぱりいろんなところから来るんだね〜。僕は地元なんだけど・・・」

とこの言葉を皮切りに三岐鉄道の魅力を延々と語り始めた。三岐線の貨物博物館の素晴らしさについて。北勢線の希少価値について。なお,このオジサンのことを以後三岐オジサンと呼ぶことにする。
僕は人に胸を張って宣言できるほどの筋金入りの鉄ヲタではないので,オジサンのマニアックな話にはそれほど興味はなかったのだが(←コラッ!),いくつかの有益な情報もあり,最後にお礼を言うとなぜか時刻表や博物館のパンフレットまでおみやげにくれた。

三岐オジサンによると第一,第三日曜日はこの保存車両の内部が公開されるとのことだが,「正月だけは第一日曜日は公開しないんだ。また来るといいよ。」

僕     :「御在所岳はどれなんですかね?」
三岐オジサン:「あ,後ろのあれが藤原岳でその左が御在所だけだよ。セメント会社(三岐鉄道の大株主である太平洋セメント)があるからあんなふうな山容になってるんだ。だから三岐線は貨車が楽しめるよ。」

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藤原岳をバックに

そういえば鈴鹿山脈でも藤原岳は登ったことがないな・・・目前に迫ったカテーテル再検査の結果により女医Mさんの許可が下りたら,三岐線で藤原岳に登るってのもありだな。などと妄想しながら折り返しの同じ電車に乗るため三岐オジサンの熱弁を振り切って別れを告げる。「1編成だけカラーリングの違う車両があるから乗ってみるといいよ。楽しんでいってね。」「ありがとうございました。」

セブンイレブンでお茶を購入して一気に飲み干す。
この北勢線の車両。暖房の効きが半端なく暑くてたまらなかったのだ。

そして再び西桑名行きの上り列車に乗り込む。

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ゆびにごちゅうい

この古びた哀愁漂う注意喚起表示もそうだが,なんとなく三岐鉄道北勢線はほのぼのとしている。陰鬱としたローカル線もあるのだが,さきほどの三岐おじさんといい,好印象である。車内アナウンスも独特。車内禁煙を知らせるアナウンスは一般的には「車内は禁煙です。おタバコはご遠慮ください。」だとおもうのだが,三岐鉄道北勢線では「おタバコはご辛抱ください。」であった。ははあ。わかりました。辛抱させていただきます(笑)

今度は,さきほどはスルーしためがね橋・ねじり橋へ行くために楚原駅で下車することにした。

実はちょっぴり緊張していた。半面ワクワクもしていた。
なぜなら,この三岐鉄道北勢線はローカルの寂れた鉄道なのだが,無人駅を含めたすべての駅がなんと自動改札なのである。そしてフリーきっぷはこの自動改札を通すことができないのだ。

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じゃあどうするのか。

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こういうこと。

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フリーきっぷを購入したときに駅員さんがくれたペーパー

どうも,台のところにカメラがあり,日付を確認して遠隔操作でゲートを開けるという仕組みらしい。アナログというかデジタルというか・・・OCRを使えばこんな面倒な事をしなくても済むのにとか言っちゃあダメダメボーイズ。限られた予算で知恵を出して考案された画期的なシステムなのだから。

さて,うまくできるかな。

と改札のところに行くと・・・駅員さんいるじゃん!
無人駅のはずなのに駅員さんが。
休日は鉄ちゃんがおしよせるためだろうか。
とても親切でありがたいのだが,ちょっと拍子抜け。

駅員さんにフリーきっぷを提示すると,あっさり改札を通過できてしまった。


(長くなったので「後編」へつづく)


posted by poptrip at 21:45 | Comment(4) | 鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そのドムドムは中京で唯一の店舗のようです(w

三重県と奈良県かどうかは知りませんでしたが
昨日のブログで四日市がJRより近鉄駅周辺の方が発展してる
ってのを見て真っ先に奈良を思い出したのでした
近鉄奈良周辺はまさに商店街って感じですが
JR奈良駅周辺なーんもないですから
(といってもたぶん10年以上前の話なので今は知りません)


あとまったく関係ないですがナローゲージの
ちっちゃな車両でモニ・・・ミニモニ。!
ってつい思っちゃいました
モニってカタカナの並びに無意識に反応するようです
Posted by Herr Katze at 2018年01月14日 02:04
喜多川に行かれましたか!きっちりポイントを押さえた目的地巡りですね。ドムドムは次にコメントしようかと思ってましたが先越されちゃいましたな。
Posted by うきょきょ卿 at 2018年01月14日 13:04
>Herr Katzeさん


JR奈良駅にもちょっと興味がわいてきましたよ。ふふふ。

ミニモニ・・・気づかんかった(不覚)
さすがアイドルに造詣が深いw
次,もし記事にすることがあれば勝手にブログで使用させていただきます。
Posted by poptrip at 2018年01月14日 20:09
>うきょきょ卿さん

喜多川・・・おいしかったです。
やっぱ三重県のウナギはレベルが高い。
ドムドムはまた次回食べてみたいと・・(笑)
そういえばなんかあのビルの中華料理屋さんに行列ができてましたな。
Posted by poptrip at 2018年01月14日 20:10
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