読書日記 カラマーゾフの兄弟


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カラマーゾフの兄弟/ドストエフスキー

約1ヶ月かけてなんとか読み終えました。
魂の限界まで取り組んだ結果です。

「カラマーゾフの兄弟」は,世界文学の最高傑作とも言われる長編小説です。
とにかく長く難解な小説のため,僕は15~16年ほど前(当時の職場は海外も含めて出張が多く,また電車通勤だったため小説を読む時間がたっぷりあったのだ)に一度読んだきり。その後何度も再挑戦したのですが毎回上巻の前半部分であえなく挫折の繰り返し(だから画像のとおり上巻だけがボロボロなのだw)。今回なんとなく思い立って久しぶりにこの長編小説に取り組むことにしたのです。
とにかく衝撃を受けたすごい小説だったということだけは覚えているのだけれど内容はまるで覚えていないため全く新鮮な気持ちで読めるところが僕のよいところ(笑)

先月末から他の本は一切無視して,この本にかかりきりとなりました(そうしないとたぶん最後まで読めないと思う)。

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内容はひとことでは言い表せないのですが,とにかくやっぱりすげえ小説でした。よく言われている通り上巻の「大審問官」,下巻の「誤審」あたりは特に読みごたえがあります。

しかしこの小説の読みにくさは天下一品。
中巻のゾシマ長老の法話と説教あたりまでがかなりやっかい。キリスト教というものを僕がまったく理解していないということもあるのですが(聖書などからの引用が多く,また思想的にもよく分からない内容が非常に多い),登場人物の名前もなかなか覚えられず。だいたいアグラフェーナ・アレクサンドロヴナなんて名前覚えられないですよね。しかも彼女の愛称はグルーシェニカ。この二つの表現が場合によって使いわけられているわけですし登場人物もそれなりに多いわけでもう混乱の極み。ほかの人たちも同様で,主人公はアレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフというのですが(兄のイワン・フョードロウィチ・カラマーゾフが主人公かも),彼の場合はアリョーシャであったりアリョーシェチカってな具合。松本を松ちゃん,渡辺をナベちゃんって言うような感じなのかもしれませんが生粋の日本人には非常に難しくて・・

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それに一つ一つの文章が長くて,登場人物のセリフも異常に長い。ロシア人ってあんなによくしゃべるもんなのかしら?また文章が長いから途中に代名詞が多くてそれがいったい誰を(何を)指しているのか少し考えなきゃいけないんだな。

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改行とか段落という言葉を知らねえのか!と文豪につっこみたくもなる

上中下巻合計約1,500ページあるんですよ。これが。密度の濃さも(どうでもいいエピソードもいっぱいあるんだけどw)かなりのものです。もちろん挿絵や写真が途中にはさまれていたりするはずもなく,活字しかないんですからね。どうでもいいエピソードまで事細かに描かれているため,もうこれは活字の無駄遣いじゃねえのかと思ったりもするんですが(そんなことを思っちゃいけない),中巻あたりからはテンポが多少よくなってきます。それまでは我慢と忍耐の連続。苦行か修業か,はたまた罰ゲームかと。もうね,我慢して読んでいればきっとすばらしい世界が待っているはずだと信じて読み続けるしかありません。まあ山登りみたいなもんです。辛い思いをして山頂にたどり着いた時の喜びを味わうために。もし興味を持った方がいらっしゃれば読んでみることをオススメします。艱難辛苦を乗り越えて,最後まで読み終えた時に感動は,ほかのどの小説でも体験できないものであることは間違いありません(たぶん)。なお,近年別の訳者によるもう少し読みやすいものが出版されているようで,一時期ちょっとしたブームになりましたね。朝日新聞デジタル「ドストエフスキー新訳「カラマーゾフの兄弟」が人気」(2007年9月1日)ただ誤訳も多いらしくドストエフスキーマニアや研究者からは敬遠されているようです。ドM体質の方はこの原卓也訳の新潮文庫版かさらに難解とも言われる岩波文庫版に挑戦してみてはいかがでしょうか。テレビドラマにもなっていたみたいですが,僕は全く知りませんでした。だいたいこの小説をドラマ化するなんて無理だと思うんだな・・・とドストエフスキーに倣い,ヘタレブロガーのぼくもこの記事も最後の段落は改行なしで書いてみましたがどうですか?この読みにくさ(笑)だんだん腹立ってくるでしょ。イヤガラセか!って。でもね,それでも読み進めちゃうところがドストエフスキーのすごいところなんだよねえ(僕の駄文とは違うのだ)。たぶんこの本のすべてを理解するのは常人には無理と思うわけですが,それでも面白かったと言える。そんなとんでもない小説なのです。


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