
永遠のゼロ/百田尚樹
とりあえず感想などを書いてみようと思います。
ひとことでいうと,ゼロ戦という第二次世界大戦中の旧日本軍の戦闘機と神風特攻隊のハナシです。
まあ僕はそれなりの軍事オタでありまして子供の頃はタミヤの戦艦やら空母やら巡洋艦やら戦闘機やらのプラモデルをいっぱい作ってましたし,ハワイの真珠湾でミズーリ号の見学ツアーに参加したときに案内してくれたガイドさんに戦艦大和の全長は知ってますかと聞かれたときに263mと即答してガイドさんを苦笑させたくらいのレベルのたいしたオタクではありません。

戦艦ミズーリ号
とにかく僕のバックボーンは以上のような感じなのでゼロ戦の予備知識は当然持っていますし,本書の中で辛辣に書かれている海軍の将官たちについてもほとんど知っています。
また思想的には僕は中立だと思っていますが,もしかしたら左寄りの方から見ると右寄りに見えてしまうかもしれない・・という自覚が多少あります。
この本を本物の軍事オタク様たちが読むと,どうもディテールが甘かったり他の著作からの引用だらけだと言われたりしてるみたいですが,僕は特に気になりませんでした。
また,ほとんど戦争について知らない人や左翼的思想を持った人がこれを読んだ場合どう思うのかは分かりませんが,朝日新聞は右傾化小説だという書評を大きく掲載したようです。
どの辺が右寄りなのか僕にはよく分からないのですけれど,宮崎駿も痛烈にこの小説を批判したようですね。
僕は右だろうと左だろうとこれを読んで何も感じない人というのがいるとは信じられません(知らず知らずのうちに僕も右傾化しているのでしょうか?)。愛国心を持っているということが右寄りだという考え方がそもそも僕には理解できないのですがね。
ここに書かれている内容が正しいのかどうか戦争を体験していない僕たちには分かりませんし,作者の意図的な表現手法もありますから,盲目的に影響を受けてしまうのもまた危険ですが,沢山の人に読んでほしい作品だと思いました。実在した人物もたくさん出てきますがこれはあくまでもフィクションですからね。
文庫だと600ページくらいありますが文字数はそれほど多くなく,文章も平易で読みやすいため,僕の場合はほぼ半日で一気に読み終えました。
とにかくですね・・中盤から後半に欠けては
号泣の連続でした!
僕のようなもう干からびかけた肌の保湿もままならない老体にこんなに水分が残っていたのかというくらい目の奥から液体が外に次から次へとあふれてくるんです。嗚咽するくらい泣きましたよ。
過去に僕が読んだ作品であれは泣いたな~って思いつく作品は三浦綾子の「塩狩峠」,マンガ「生徒諸君!」で沖田君が死ぬシーン,マンガ「ガラスの仮面」でマヤの母親が映画館で死ぬ場面などがありますが(←もっと他にいい例がないのかよw),それらとは比較にならないくらい泣きましたわ,マジで。
安っぽい使い古されたようなエピソードもありますが(百田尚樹の小説ってそういうのが多いと思う),ただただ単純に面白かった。感動した。というのが偽らざる僕の感想です。そしていろいろと考えさせられた作品でもありました。オススメできる作品です。
映画も間もなく公開だそうですが,見に行くつもりの人はこの本は読まない方がいいかも。楽しみがきっと半減するだろうから。僕は映画を見に行くつもりは全くありません。そのうちテレビで放送されたらこっそり見ようと・・(号泣してるところを家族に見られたくないもんねw)
なお,僕は以下の博物館等において零戦の実物を見ております。
・国立科学博物館(ニ一型)
・靖国神社遊就館(五二型)
・アメリカ航空宇宙科学博物館(五二型)
・イギリス戦争博物館(五二型)

零式艦上戦闘機五二型/遊就館

特攻兵器「桜花」(実物大模型)/遊就館
靖国神社内の遊就館には以上の写真のような展示物の他,特攻隊員の遺書がたくさん展示されており実際に読むことができます。興味のある方は行かれてみてはいかがでしょうか。

零式艦上戦闘機五二型/アメリカ航空宇宙科学博物館
ちょっとマジな記事を書いてしましました。
多少思想的なことも書いてしまいましたが(宗教的あるいは思想的なことはブログでは話題にしたくないと思っているのですが・・),あまりにも感動してしまった単純な男なのでご勘弁ください。
最後に,百田尚樹のtwitterはオススメしません。あまり上品じゃないときがあるので(笑)
僕はフォローして楽しく読んでますけどね。
※この記事に掲載されている画像はすべて僕が撮影したものです。
この記事へのコメント
sarai
今日の夜、林先生とテレビに出ます。
あたしは戦争のこと、全くわからないし、pop君が書いているその辺も。
それでもこの本は感動する。
くさいしながいし、でもよい。
随分前に読んだので映画はみにいけるかなぁとかおもったりしてるよ。
poptrip
おー。ありがとう。
さっそく録画予約しました!
素直に読めば感動する本だと思うんですけど
Amazonの書評とかではけちょんけちょんにけなしてる
人がいるんですよね・・
twitterでもずいぶんとアンチに叩かれてるんですわ。
映画は・・正直キャストがね・・・・
あ,井上真央は好きだよ。テヘッ!
Herr Katze
見に行こうかな(キャッ
冗談はおいといて
実際は見ようかどうか迷ってます
本はきっと読まないw
poptrip
あ,冗談だったのか(笑)
そういう趣味があるのかと。
Herr Katzeさんて多趣味だなあと・・・ww
僕は一般的に(この作品に限らず)
映画と小説だったら小説を選びます。
ゆめ
最初から(内容で)観たいと思っていた上、サザンの「蛍」が流れますし、
最高に感動する涙の場面で、桑田さんの声が流れる事を想像するだけで
感極まります。
POPさんの「嗚咽するくらい泣く」というのも解ります。
それぐらい素晴らしい内容ですものね・・・。
私もそうなりますよ。
poptrip
おー。
高らかに宣言しましたね(笑)
楽しんできてくださいね~
サザンの「蛍」って曲は・・すみません。
知らないんです。
桑田マニアにはたまらないんでしょうね~ww
ゆめ
熱狂的なサザン・桑田さんファンの私としては書かずにはいられません(笑)
この歌は、映画の制作サイドから「ぜひ主題歌を」という熱烈なオファーが
サザンに来ました。桑田さんがその内容に強く共感された事もあり、
主題歌提供のタイアップが実現しました。
しっとりしたバラード調で「永遠の0」の内容に沿った歌詞とメロディを
桑田さんが作りました。
夏の「胸熱ライブ」でもファンの涙を誘い、夏に発売された新曲CDの中の
1曲なんですよ。これから映画公開のCMがテレビで入るかと思います。
その時にBGMとして流れるはずですから、嫌でも(笑)耳に入ってくると
思いますよ。
失礼しました★
poptrip
ふふふ。
よーく理解しました(笑)
たぶん「蛍」という曲を聴くことがあれば
あなたのこの熱い説明を想い出すことでしょう。
でも映画は・・見に行かないよ。
ふふふ。
Herr Katze
故マイケル・クライトンのジュラシック・パークなんかも
小説のほうが圧倒的に面白いですからね
でもだからこそ、映画先に見とかないと、小説先だと
映画つまんなうなるんですよね
あと、映画はジャンルあまり問わずに見ます
(ちなみに岡田君は俳優としてはマジで結構好きですね
天地明察もよかった-本読んでない-し、図書館戦争も
よかった-こっちも本読んでないなそういえば)が、
小説はいわゆる一般枠の小説は読まないんですよね
SFかファンタジー、ミステリーに限られますね
だから、あんまり小説としての永遠の0に食指が
動かないんです
そゆことで、映画見ればいいかな~(笑)
poptrip
僕はまず映画自体を見ないもんで・・
岡田君と言われても顔が思い浮かばないという。
図書館戦争は最近小説を読んだんですが,
あれは僕にはまったくフィットしませんでした。
逆に映画の方が面白いかな~なんて思いましたわ。
まあ見ませんけどねww
N@BE
本を購入したのに、読まずに映画見てきました。(笑)
いやいや、血も涙も無いと家族に言われるワタシですが・・・。
フィクションとわかっていながら・・・。
最後の最後に涙が一筋・・・。
祖父が軍人だった影響もありますが、最近、愛国心を表すと、
すぐに右寄りだと言われることにウンザリしてます。
そして、戦後のレジームに侵されてる人はどんな感想なのか気になります。
Herr Katze
アレ見て0戦賛美映画だっていう人はどうかしてるんじゃないかと
どっちかというと反戦だと思ったんですが
poptrip
おー見てきましたか。
涙はひとすじでしたか・・
まあ血も涙もない人ならそんなもんかなあ(笑)
僕も自分では意識してないんだけど
左寄りの方からしたら右寄りだと思われちゃうんでしょうね。
ほんとウンザリです。
左寄りの方は自分のことを決して左だとは言わないんですけどねw
poptrip
あなたも早速見てきたんですね。
先入観を持ってみるとゼロ戦賛美映画に見えちゃんだろうなあ・・
そういうのはもう価値観の違いとしか言いようがないので
どうしようもないですよね。
はやくテレビで放送されないかなあと
心待ちにしている僕なのでした(笑)