
ガスガスのなか,下って行きます。
そして七合五勺の砂走館でスパッツ(ゲイター)を装着します。

御殿場ルートの下りは七合目から下で大砂走りと呼ばれる砂が厚く堆積した道を通ります。靴の中に砂が入るのを防ぐためスパッツは必携なのです。
七合目を過ぎた後,宝永山方面へ。

体力と時間に余裕があれば宝永山にも行きたかったのですが,もちろんそれは無理。
大砂走りが始まります。
砂だらけの道を下って行くのです。
大砂走りは九十九折にはなっておらず,まっすぐ下ります。

歩いているとこんな風に足は砂に埋まります。
膝にやさしく,快適でありまして元気のある人はここを走って下りるのですが僕は足をかばいながらゆっくりと歩いて行きます(といってもそこそこのスピードが自然に出てしまいますw)

元気なヤングたちは,すごい勢いで走って下りて行きます(うらやましいよ)。
転んだりしながら楽しそう。
聞くと,この転んだヤングマンはなんと初めての山登りだと・・どうも山頂までは行かずに七合目まで登ってこの大砂走りを下るだけのよう。大砂走りだけが目的と言うわけですね。
若かりし昭和天皇も皇太子さまも駆け降りたというこの大砂走り。僕も思いっきり駆け降りたいと思うのですが左足がそれを許してくれない(泣)

大砂走りから山頂を振り返る
このあたりはペンペン草も生えておらず・・


まさに火星のような風景。ぼくの下手糞な写真では伝わりにくいと思いますが。
残念ながらこのあたりではもうヘロヘロの極致でありまして,ちゃんとした写真があまりなくて。
先ほどの若者たちはあっという間にずっと下の方まで行ってしまいました。

僕はと言えば・・・ええ,左足が痛くてねえ。
休み休み,ゆっくりとゆっくりと下りて行きます。
ここでも5~6人に抜かれたかなあ。
そんな中,笑顔で僕をすーっと抜いて行ったソロの男性。おおっ,キミは登りで出会ったキミじゃないか!(名前も何もわからないのでこういう表現になってしまう)。すごい勢いで下って行きました。そうか,キミはそんなにタフだったんだね・・お気をつけて。

この大砂走り・・確かに快適なんですけれどとにかく長いんです。
途中でイヤになってきました。普通のところを歩かせてくれないか(←ワガママな男)・・
少しずつ砂の堆積する厚さが薄くなってきて,

傾斜も緩くなってきます。
この辺りからはつま先に力がかかるようになり今度は足の指先の痛みと戦います。
何度も何度も小休止をいれながら・・・へへへ。
大石小屋を過ぎ,登山口に到着しました!!
たぶん14:25ごろと思われます(写真を撮る気力もなくタイムスタンプ代わりの写真が残ってないのだ・・)。
耳の中やら鼻の中も砂で真っ黒。ザックもカメラも砂だらけ・・・ザックカバーやらその他防塵対策をして下るのが良いかと思います。

登山口近くの標識(7時間で登頂なんて僕には無理と思います・・・)
登山口では登り始めた深夜にはオープンしていなかった売店が営業しており,また富士山保全協力金の窓口も開いており,1,000円を支払います。この協力金は任意だそうですが・・義務にしたら?と思わないでもないです。ただここで1,000円も徴収するんなら山頂の公衆トイレは100円くらいにすりゃいいんじゃないのと思ったりもして。

また,その隣では富士山登頂証明書を発行してくれるところ(無料)もあったのですがアンケートに回答することが条件だそうで。聞くとアンケートはA4用紙4枚ですと!
いやいやいやいや。もう気力と体力の限界,左足なんてもうちょっと動かすだけで痛みが走るような極限状態でそれはない。A4用紙4枚て!!!
このあたりの売店とかの写真も一枚もない(笑)
ほんとに疲れてたんだなと,あとになって思う。
精も根も尽き果てたとはこのこと。
駐車場に戻り,着替えを済ませ1時間ほど仮眠をとって帰路に着きました。帰りはさすがに高速道路を使用。敦賀着は深夜0:30ごろでした。渋滞にも会いましたがおかげで高速道路の深夜割引が適用されました。転んでもただでは起きない男,ということにしておきたい。
あ,あまりにも足が痛いので翌日整形外科に行ってきました。
どうも筋肉がやられちゃったみたいで・・・土日はほとんど活動ができませんでした。
江戸時代から富士山に一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿という言葉があるそうですが・・・たぶんもう一度登ることはないと思うので僕は馬鹿ではないということになるはずだ。二度登るバカになる可能性はもちろんゼロではないのですが(笑)
今回の山行を総括すると,楽しかったんだけど反省点が多く
・杖を持ってこなかったのが一番のミス
・行程的にもかなり無理があった(自分の体力を過信していた)
・足が痛くなったところで撤退するという選択肢もあった
・余計な荷物が多すぎた(帰ってきてザックを整理してたら奥のほうからアイゼンが出てきたww水分は途中の山小屋で購入可能。酸素缶は不要だったしガスバーナーとかも置いてくればよかった・・)
・ヘッドライトの替え電池をクルマの中に忘れてきた・・あってはならないミス
いろいろとよい経験をさせていただきました。やっぱり富士山は偉大だ。
とにかくこの夏いちばんの想い出になったことは間違いない。「夏休みの友」の最後のページの日記には富士山のことを書くつもりです。
【実績行程】
登山口 | 01:15 | |
新六合目 | 04:41 | |
七合目 | 06:27 | |
砂走館 | 06:59 | |
赤岩八合館 | 07:59 | |
八合目 | 08:28 | |
御殿場ルート山頂 | 10:10 | |
剣ヶ峰 | 10:46 | (休憩6分) |
御殿場ルート山頂 | 11:10 | |
赤岩八合館 | 11:53 | (昼食) |
七合目 | 12:37 | |
登山口 | 14:25 |
登り:9時間55分(剣ヶ峰まで,休憩含む)
下り:3時間33分(剣ヶ峰から,休憩含む)
標高差:2,330m
歩数:約46,500歩
距離は17kmとなってますが僕のロガーはぼろっちいので誤差が大きく実際は20kmほど歩いているようです・・
(おわり)
この記事へのコメント
ribahiruto
吉田ルートですが。大島優子や指原莉乃も登りました。
あの頃はまだガチだったなぁ。
しかしいつもこのような番組観ると思うのはカメラマンが一番大変ということですな(゜.゜)
静岡の鯖江人
私は昨年、一昨年と富士登山しました。
一昨年は全行程97.5%で連れの高山病により泣く泣く下山とあいなり、
昨年ようやく単独で登りきりました。(往復富士宮ルート)
頂上の山小屋で食べた800円のカップラーメンをガチガチ震えながら食べたのはいい思い出です。
ツギロウ
うっひゃぁ~富士山登られたんですね。ホントにお疲れ様でした。
しかも1日でとは、さすが「傷だらけのマセラッティ」ことタフガイ・北方・pop・謙三・trip(長いな)さんだけのことはあります!今回はいつものおふざけ・うんこ抜きで感動しました。
肉体的だけでなく既読スルー(笑)という精神的ダメージをもろかぶりしながらの下山は登り以上にキツかったでしょうね。富士山というとシンボルとしての存在がデカすぎて、自分の登山対象としてはあまり考えたことも無かったのですが、今回のレポで「こんななのね」と少しだけわかった気がします。
「こんななの」を身を削って教えて下さったpopさんに心より感謝致します。
しばらくは養生なさって下さいね。
poptrip
おお,確かに以下のサイト「富士山に登った有名人」にAKBが登ったって書いてあります。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-yumei.html
夏目漱石や小泉八雲とならんで秋元才加,北原里英,大島優子,指原莉乃なんていう名前がw
いやほんとにカメラマンは大変だと思いますよ・・・頭が下がります。まあ仕事だからね。
poptrip
富士山が近いってのはうらやましいです。
僕なんか,ほかの山に登って富士山が見えただけで大コーフンですからね。単独で登ったですって?アナタも山ヤだったんですね。
ちょっぴりうれしいですw
poptrip
こんばんは。ハードボイルドを地で行く男,ミル貝・タフガイ・ナイスガイのpoptripです。
鯖江を代表するタフガイの僕も今回は全く情けないことになってしまいました。一般の方には日帰り御殿場ルートは決してオススメしませんがツギロウさんくらいのタフガイには是非お勧めしたいと思っております。機会があれば是非どうぞ。
正直な感想は,富士山は日帰りで行く山じゃねえな・・・というものなんですけどねw
nippar
覚えているのが岩ゴロゴロのルートで登って、下りは砂ばっかりだったのでpopさんのルートだと思います。
あれ??山頂にしか売っていないというお土産(売店)なかったですか???
しかし、観光も何もなく、ただ富士山を登りに行くというのは、、、、スゴイ~~!(あ、うなぎ食べたんでしたっけ?ww)
poptrip
いやあ御殿場ルートってかなりマニアックなところなんで。どうなんだろう?
御殿場ルートの山頂はお店(というか山小屋)が一軒しかなくて・・いちばんメジャーな吉田口とかはたくさんの山小屋とか売店があるみたい。しかも足の痛みがひどくて一歩でも歩く距離を減らしたいとまったく余計なところには寄らなかったんですよ。ハハハ。
富士山自体が山っていうより観光みたいなもんですからね・・・