電車に乗っていれば雨に濡れることもないし,半日熊本市電に乗っていようかというヨコシマな考えもチラついたのだが,

電車から見えたこの熊本城天守閣がやはり気になる。
立入制限がされていることは知っていたし,雨の中近くまで見に行く価値が果たしてあるのか,というのが問題。
熊本城には高校の修学旅行で一度来ている(はずだ)し,早めに長崎に移動しちゃうという手もある。
だけどやっぱり熊本城が気になってしまうのは,僕が池波正太郎のファンだからだろう。僕は再建された城(天守閣)にはあまり興味がなく熊本城も西南戦争直前に焼失した天守閣を1960年に再建したものだ。ということは僕は熊本城もスルーかと思いきや池波正太郎が加藤清正と熊本城を小説の中であまりにも褒めちぎるもんだから(笑)
まずは市役所の展望室から熊本城を俯瞰することに。


飯田丸五階櫓
奇跡の一本石垣で知られている(ということをあとで知った)
復興への第一歩、熊本城の櫓を鉄の腕で支える(大林組Webサイト)
展望室には震災と復興に関するパネル展示があった。


ちょっぴり思慮の上,
雨もやんだし近くまで行ってみるか。
ということに。
熊本城に向かって歩いていく。
ん。

ちいさい石がたくさん見えるんだけど
これって石垣内部が崩れてるのか・・・

加藤清正像
ここで案内図を見ていると,ボランティアのおじさんが「天守閣の近くまで行けますから,どうぞ行ってみてきてください。」と声をかけてきた。すごく丁寧に,道順を教えてくれたので僕はその言葉に従うことにした。なんとなく従ってしまいたくなるような温かさがあった。熊本県民というのは日本一献血をする県民なのだそうだ。そのボランティア精神が僕の心の奥底にある何かと共鳴し合ったのかもしれない(ウソ)
天守閣に近づいていくにつれて
遠くから見ても分からなかった


こんな驚きの光景が・・・
一部の石垣の石はナンバリングをされて広い場所に移動され,元あった場所に戻る日を待っている。



左から宇土櫓,小天守,大天守
そして,さらに天守閣に近づいていくと
天守はその姿を変え,


こんなことになってることが判明!
小天守やばばですよ。
これはマジやばばばばば。
こんなんなってるなんて聞いてないよ~。


加藤神社の境内へ。

宇土櫓
写真には写っていませんが,石垣が膨らんでしまっている箇所があります。
補修のしようがないのでとりあえず崩れないようにネットをかけているようです。
現代の科学をもってしても震災前の状態に戻す方法が誰にも分からないんだそうで・・・だって石垣って1箇所直そうとしたら結局その周りの石を全部直すことになるでしょ。放射状に補修範囲は広がっていき結局一から作り直すのと同じことになっちゃうってわけ。
20年で補修を完了する見込みだそうですが・・・前途多難だな。
金があったとしても技術がない(金も厳しいんだろうけど)。自然災害というものはやはり人知を超えているんですよ。

ぐるっと一周して帰ってきました。

次に来るときには,きちんと復元された熊本城が見れるといいな。
それまで僕が生きていられるのかどうか。それが問題だ。
先日,大天守の足場が取り払われたといううれしいニュースがありました。
大天守の屋根、1年ぶりに姿現す 熊本城(熊本日日新聞)
”熊本地震で被災し、復旧工事中の熊本市中央区の熊本城天守閣で19日、大天守を囲んでいた足場の上部の解体が進み、一番上の屋根が約1年ぶりにはっきりと見えるようになった。通町筋の市電通りから2体のしゃちほこの姿も確認できる。”(上記リンク先記事より抜粋)
この記事へのコメント
uchidaholic
宇土櫓の石垣がそんなことになっているとは。。。
poptrip
百聞は一見に如かず
とはよく言ったもので(まあ何も聞いてないんだけど),行かないと分からないことってたくさんあるんだよね。